特定非営利活動法人浅草観音裏まちづくりフォーラム設立趣旨

 名だたる江戸の伝統文化の息吹を今日に受け継ぐ浅草は、世界有数の国際観光都市。
そこは、庶民信仰の原点である浅草寺の門前町として、浅草寺開基以来
その歴史は1379年を数え他の観光地の追随を許さない。
来街者は年間3000万人を超えるものの、浅草の経済的地盤沈下は深刻なものがある。
そんな中2005年8月、世紀を超え待望の新線「つくばエキスプレス」が開通、「浅草駅」が開業した。
リンクして浅草の大きなネックとなっている回遊性向上のため、
浅草の東西を結ぶ道路の整備やまちなみの整備が進んだ。
その背景には地域住民はもとより、行政、観光・商工団体等のパワーの結集があった。
関係者の共通認識は千載一遇のチャンスであったろう。
さりとて、まだまだまちのインフラ整備は半ばであり、焦眉の急である。
さて、浅草と一口に言っても、いわゆる浅草寺を中心とした表の浅草だけではない。
通称・観音裏と呼ばれる現在の浅草3丁目以北には、三味・太鼓・笛の音そして浅草芸妓の艶姿、
料亭、街合いなど三業の花街が栄え、更には今年創設350年を迎える「吉原」がある。
この他、昨秋開館を迎えた「新一葉記念館」、芭蕉句碑、猿若三座の跡など
文学史上の名跡の数々が点在している。
この地域にこそ、江戸の色香がしっかり息づいている。
しかし時代の趨勢により街並は激変の一途を辿っていることは否めない。
2011年8月地上波デジタル化に向け、東京の母なる川「隅田川」を挟んだ対岸に
第2東京タワーが完成する予定だ。
墨田・台東エリアと称される如く、台東区とりわけ歴史と文化の宝庫である浅草地域との連携は不可欠。
と同時に新しいまち「浅草」の再構築のチャンスでもある。
浅草観音裏と第2東京タワーは直線距離でも至近ゆえ、本当の意味での江戸文化のまち、
浅草の魅力を、体感できるまちづくりのチャンスと捉えている。
表裏一体の言葉通り、観音裏を中心とした浅草以北の街づくりを進めることで
浅草の南北が極めて太いパイプで結ばれることは間違いなく
まさに浅草寺を中心とした真の回遊性が実現する。
私達は来街者にまちを楽しみ、音を楽しみ、人、花、伝統文化、工芸すべてに陶酔し、
究極の浅草を体感して頂くまちづくりに向け、いわばお年寄りに安全で、女性に優しく、
外国人に分かりやすい、イギリスの小説家・政治家リットンの言葉
「およそ事業に必要なのは、する力ではなく、やり遂げようとする決心である」
という言葉を念頭に、地域住民、行政、企業・団体が協働して
幅広いNPO活動を展開するナビゲーターでありたい。

    

〜当フォーラムに賛同していただける方へ〜

inserted by FC2 system